米国にとどまらず、諸外国での金融教育が優れており日本の教育がダメだから株式市場も投資文化も育たないのではないかという議論があります。
これに関してはもっともらしい部分もある一方で、必ずしも正しいとは言えない部分も多く含まれております。
投資教育というのは必要に迫れられて導入せざるを得なくなったというのが、各国の事情であり逆に日本は一昔前までは投資教育が必要ないくらいに社会保障が比較的恵まれた部類だったと考えることもできます。
もちろん北欧や資源国などの方がもっと社会保障は手厚いですが、彼らが国として投資をしているのは資源の枯渇や国力の低下が安全保障上死活問題だということも大きいです。(ちなみに同じ北欧でも産油国のノルウェーをフィンランドが羨むという構図も定番です)
海外で教育を受ける機会に恵まれたため断言できますが、日本の投資家が期待するレベルの投資教育は米国でさえできていないのです。
今回の出典元の記事の対象であるアメリカの高校生は、米国という社会保障の少ない国でこれから社会に出たり大学に進学する上で学費等も含め工面していかなければならないからこそ、こういった教育を受けざるを得ないのです。
決してもともと数字に強いから金融教育を受けている訳ではありません。
自分自身が学生時代に受験数学の講師をしていたこと差し引いても、ステレオタイプな意見になりますが本当に米国人は数字に弱い或いは数学ができない人が多いので、この辺りはアジア系の人々は自らの投資への適性に感謝するべきだと思います。
とはいえ投資で大成するのは、複雑な難しい計算ができたり読解力が高いことが必ずしも必須ではなく、必要なのは良識的な判断力とまともな金銭感覚です。
「72の法則」は複利効果を確認するのに用いますが、一般的な人間の乳首の数で割るとおおよそ人間の平均体温と一致するように、数字というものは恣意的に仕込まれております。
やはり投資に求められるのは想像力ということでしょう。