手数料引き下げ競争について思うこと

2019/07/06

投資


(出典:PR TIMES  楽天証券、米国株式の最低取引手数料を大幅引き下げ
‐業界最低!0.01米ドル(1セント)からお取引可能に‐

SPDRマンです。

いよいよ日本国内でも始まったかという感じですが、
本格的な手数料の引き下げ競争が各種ニュースで話題となっていますね。

SPDRマンはそもそも、フリーETFやNISA口座等を駆使して、
売買手数料をなるべく発生させないように自分ができる範囲での努力は
してきましたが、このような値下げ競争の流れは本当に嬉しい限りです。

ただし、買い付け手数料の値下げは本当にウェルカムなのですが、
売却手数料の値下げは手放しには喜べません。(条件つきで嬉しい感じです)
というのも、SPDRマンは投資をする上で市場に求める要素として
長期投資を実践したものが最終的に最も報われる環境が構築されなければ
ならないという理想に共感しているからです。
もちろんそんなことは机上の空論であることは重々承知しており、
短期で投機を行い巨万の富を得ることができる市場環境が存在し続けることも
新たなチャレンジや新しいイノベーションのためには必要で、
そのことを否定するつもりは全くありません。

しかし、最終的にはどんなに少額であっても、市場に参加しリスクを受け入れ、
市場に寄与したものに対し、対価を与えることができる環境を構築することこそが、
経済社会の健全な発展に最も寄与する理想的な姿だと思うのです。
そのためには、市場参加者には長期で保有することに最もメリットがある
制度設計しなくてはなりません。つまり、一度投資を行ったら、すぐに資産を
引き上げにくい環境を構築し、結果的に市場に残り続けてもらえる
制度やアーキテクチャを構築する必要があると考えます。

そのことを考えると、大手ネット証券のNISA口座では米国株・ETFの買い付けが
無料で、売却に費用がかかるという手数料体系をとられていましたが、
この形が投資家にとって最もバイ・アンド・ホールドを続けるのに
インセンティブがはたらき、ある意味理想の環境であると言えるかもしれません。

そもそも、税制も売却益にはしっかりと課税されるように設計されているのは、
長期投資を促す強烈なインセンティブになっていると考えます。
バイ・アンド・ホールドではなくバイ・アンド・ホールド・フォーエバー
あるいはバイ・アンド・フォーゲットと言われるように、永久保有が
本当の株式投資の理想形であります。

しかしながら、個別株投資を実践する場合は、投資先企業の業績や今後の見通しを
確認し、買い増すのか売却するのか等を踏まえしっかりと管理していかなければ
なりません。ETF投資であれば、企業の取捨選択はそのETFの運用方針に従い
自動で行われますが、それでも景気の良し悪しや、市場の動向次第では、
割高になったり逆に割安になったりする可能性もあるため、ポートフォリオに
置けるリスク資産の割合の調整に関しては、十分な配慮を行わなくてはなりません。

上記のようなことを考慮して上で、バフェット氏が妻への遺言として残した
「資金の90%を米S&P500種株価指数に連動するETFに、10%を短期政府債に投資せよ」
は、多くの投資家にとって理想的なアセットアロケーションであると思います。
SPDRマンも基本はこのアセットアロケーションでの投資を長らく実践してきました。
SPDRマンが本格的な「投資」を始めたのもこのバークシャーの2014年2月の年次レター
がきっかけでした。(出典:Warren Buffett's Letters to Berkshire Shareholders 2013, 20頁)
そういえば当時はNISA口座の枠が100万円でしたね。

今のところ、好景気に支えられSPDRマンは順調に資産を伸ばすことができておりますが、
それは、一度購入したものを長く手離さないでこれたことが大きいです。
それもたまたま開始時期が良かったためなのかもしれませんが、手離さずに来られた
理由の一つとして、売却手数料と売却益への課税が心理的に影響していたことは
間違いありません。1557はカブドットコム証券のフリーETFであれば、
売却手数料はかからないのですが、初期は別の証券会社で少額買い付けを実施し
手数料が発生させないようにしておりました。この手数料に対する意識が、
結果的に時間の分散につながり、取得単価を下げることに寄与しました。

売買手数料が下がることは、投資家にとっては大変ありがたいことですが、
結果として、取引量が増えることによる利益の喪失が起きるかもしれないことを、
十分に認識する必要があるのではないかということです。
まだ、これから更に手数料に関するプレスリリース等が証券会社各社から
発表されることが予想されます。

SPDRマンも証券口座の移管は行ったことがありますので、この機会に
複数の口座を取得し、それぞれのサービスの恩恵を受けるのは大賛成です。
ただし、口座を複数開設すると維持は少し面倒になります。

しかしながら、いろんなサービスを実際に体験してみることで、
自らの投資スタイルが洗練される可能性もありますので、こういった機会に
是非様々な手法を試してみたいとも考えております。
そして、米国株ブログにはそのような役立つ情報が今後もたくさん蓄積
されて行くかと思いますので、皆様の更新と新着記事を一読者として、
非常に楽しみにしております。

特に個別株投資を実践されている方からは何か新しいアイデアが出てくるのでは
ないかと非常に期待しております。また、マネックス証券さんの発表後、
週末を意識され楽天証券さんが動かれました。週明けはSBI証券さんが動かれるかと
思いますし、もしかしたら意外なダークホースが名乗りを上げたりするのかも
しれません。いずれにせよ、米国ではこのような流れが既に活発化していたので、
「貯蓄から資産形成へ」の流れを更に活発化しなければならない日本においては
先日の金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書の流れも含め、
米国以上にこの流れが加速していかなければなりません。

SPDRマン自身も、今のスタイルに凝り固まることなく他の投資家さんの
良い手法は積極的に取り入れて行く所存ですので、引き続きご支援と
励ましの程、何卒よろしくお願い申し上げます!

参院選に突入し、若干政治資金パーティを意識した末筆になってしまった
SPDR マンでした。

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