イノベーションは、万能ではない

2020/01/02

書評


イノベーションの議論は、なぜかみ合わないのか
(出典:日経xTECH 2017/10/30 05:00)

SPDRマンです。

年初の投稿で迂闊にも「イノベーション」という言葉を使ってしまいましたが、
SPDRマンが想定していたイノベーションと、お読み下さる皆様が連想する
イノベーションが確実に異なることに気がついたため、補足を投稿することにしました。

学生時代にお世話になった先生の新著を紹介したいと思います。
イノベーションは、万能ではない』(日経BP
西村 吉雄 著(2019年11月発売)

ご紹介したかった第1章〜第3章がちょうど無料プレビューの範囲だったため、
リンクを設けておきます。

Googleブックス『イノベーションは、万能ではない』

西村先生は技術研究者そして技術に精通するジャーナリストとして、
主にアメリカの企業と大学におけるイノベーションの研究をされて来た方です。
特にインテル【INTC】hp【HPQ】、ベル研究所【T】(現在は【NOK】子会社)
などの中央研究所の研究をされていました。

「イノベーション」という言葉は現代人のほぼ100%が誤用している言葉です。
かく言うSPDRマン自身も正しい使い方をできておりません。(専門外ですみません…)

そもそもイノベーションの提唱者とされるシュムペーター自身は論文や著書で、
イノベーションという言葉を用いておりません。

「経済システムが自らを時間的に変化させる力」

これこそが本来のイノベーションと呼ばれているものの本質です。
そしてその力がどのように生まれるかというと「新結合の遂行」によって生まれます。

超ざっくり言ってしまえば、新しい組み合わせです。
つまり必ずしも最新技術を必要としないのです。

どんな言葉でも日本語に置き換えられていないカタカナ言葉(外来語など含む)は
基本的に疑った方が良いです。だいたい腑に落ちる概念で誤魔化されております。

これはSPDRマンが学生時代に某企業のインターンシップに参加した際に
その時担当して頂いた方から教わったことです。

ワイドモート、ブラックスワン、アナルなど
確かに危険で魅力的な言葉がたくさん並んでおります。

そしてその最たるものがドットコム・バブルです。
本当のクソ株までもが高騰し、バブル崩壊で価値のあるはず企業の株価まで暴落しました。
(そして残念ながら歴史は繰り返される可能性が高いです)

西村先生が当時研究していた企業は、いずれもドットコム・バブル期の最高値を
未だに更新できておりません。(2019年12月末現在)
今はインテルしか残っておりませんが、いずれもダウ平均の構成銘柄でした。

本当のイノベーションは最先端技術に頼らずとも成し遂げられるのです。
そしてそのことを実証してくれているのがバリュー株の存在です。
(注:バリュー株銘柄の企業も、ちゃんと研究開発等はしています)

なんだか難しい話になってしまいましたが、本当に市場を牽引してくれるのは
グロース株なのではなく、バリュー株も含めた総和がインデックスの価値なのです。

久々にシュムペーターのことを思い出したSPDRマンでした。

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少しだけ学生時代を思い出しました

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