損切りタイミングよりも握力の強さ

2021/03/20

投資


金利の動向とそれに伴う過去の株価の動きから下落トレンドを予想し、それを回避する損切りタイミングの考察記事が出ておりました。

まずこういった記事に出会った際に確認するべきは「誰が」何の目的で書いているかを確認することです。

今回の出典元の場合は、証券会社のアナリストが書いておりますので、顧客の資産の最大化に寄り添うような内容を載せつつも、本質的には保有証券の売買を促し所属先の証券会社の手数料に寄与する方向に誘導してきます。

どんなに優れた方が市場の分析を書いたとしても、そこには必ず著者の立場(ポジション)が存在します。

金融機関に所属していれば所属先の利益(証券会社であれば手数料につながること、資産運用会社であれば自社の運用商品の購入につながる等)に資する内容ですし、学者であれば自身の研究の成果につながる内容に寄っていきます。(当然当ブログにも何らかのポジショントークが混じっております)

その損切りによって投資家の資産が守られる可能性もありますし、逆に切り返して大きな機会損失となってしまうかもしれません。

ただ、確実に言えることは、その損切りによって証券会社は確実に手数料収入を手にするということです。

それが証券会社の商売といえばそれまでですが、一見投資家のためのように書かれている記事内容でも、よくよく分析すれば全然アドバイスになっていないなんてことは割と良くある話です。

個人投資家が勝つべくはプロとの比較ではなく、余計な取引への誘惑や長期で保有できない銘柄や金融商品を避けることです。

なるべく割安で購入できた方が精神衛生上は良いですが、それ以上に長期で信頼できるご自身と相性の良い投資先を見つけ出し、強い握力でホールドを続けることです。

プロと短期で真っ当に勝負して勝つには、ご自身がプロ並みになるしかありません。

四半期、場合によっては一ヶ月単位で成果を求められるプロとは異なり、基本的に時間の制約がないのが個人投資家の強みのはずです。

ある程度時間を区切って目標を設定し資産形成をしている方もいらっしゃいますので、全ての方には当てはまらないのかもしれませんが、長期目線でのバイアンドホールドの徹底が、資産の最大化には一番寄与する気がします。

もちろん、軌道修正が必要な瞬間というのも存在はしますので絶対ではありませんが、余計な売買は手数料と税金によって投資家の取り分を削られます。

あまり動かずに済むのが手数料的には良い投資です。

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