米国の株価神話と日本の土地神話の類似性

2021/06/19

投資


世間一般に言う「大金持ち」は、昔は地主、今は株主というのが相場と言われておりますが、それを確認するかのような記事を見かけました。

収益を生み出す資産は価格形成にリスクプレミアムが織り込まれることが期待されるため、ゼロサムゲームの投資対象よりも有利になりやすいです。

その性質が右肩上がりの物語の根拠になっていると思われますが、ときに過剰な期待は予期せぬ方向へ向かうこともあります。

高度経済成長とともに永遠に右肩上がりと信じられて来た日本の土地神話は、バブルの絶頂期には日本国内のわずかな土地でアメリカ全土が手に入るとまで言われるほど膨れ上がっておりましたが、その後の惨状は皆様ご承知の通りです。

バブルが過ぎ去り投資対象も不動産とは異なる株式であれば、同じ轍を踏むことはなく米国株式は世界恐慌も世界金融危機も乗り越えて来たから、大丈夫とは言わないまでも幾分マシであると言う考えから米国株や世界各国への分散投資を実践している方も多いと思います。

おそらく、今の世界の長者達が同じ物語の中で成功を掴んでおりますので、現時点では正しいのだと思いますが、それはバブルの絶頂期に不動産投資で豊かだった日本の現状と何も違わないのではないかと言う指摘もあります。

日本の土地神話が崩壊したように、米国株や世界株の株価神話もどこかで崩壊しないという保証はありません。

出典元ではSPACが米国株の右肩上がりだけを前提にしており、株価を下げるわけにはいかない国策と合致していることからも、日本の土地神話の崩壊前夜との類似性を指摘しております。

こういった指摘が杞憂であることを願っておりますが、日本も米国の後を追うように株式(株価の上昇)による国家財政の安定化政策に舵を切った以上もう後戻りはできないのです。

土地神話の教訓を生かすことができなければ次はない状況に、日本という国は追い込まれております。

仮に神話が崩壊したとしても生き抜く術を考えるか、形を変えてでも物語を後世へ語り継げるだけの余力を、国に頼らずとも国民一人ひとりが手に入れられる環境が大切です。

お金は大切ですが、そのお金を利用して資産を産み出し続けることを個人レベルで意識することが、本当に重要な時代になりました。

なんとも堅苦しい話になってしまいましたが、要はちゃんとお金に働いてもらいましょうということです。

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