経済成長を妨げる銀行預金の問題

2021/10/11

投資


かつては銀行の定期預金や郵便局の定期貯金に預けておくだけで金利は6〜8%という、ちょっとしたインデックスファンドの期待値並の利回りを得ることができた時期もあったそうです。

もちろんインフレ率を考慮したり、その当時の他の投資先の崩れる前までのリターンを考えれば、決して魅力的な投資先ではなかったのかもしれませんが、超低金利の現代においては非常に魅力的に映ります。

では現代における「美味しい預金」は何なのかを考察するのは、非常に面白い思考実験です。

金利を産まない預金はレイ・ダリオ氏の言葉を借りれば「現金はゴミ」なわけですが、では金(ゴールド)や暗号資産(ビットコイン等)がヘッジになっているかというと何とも難しいところです。

本来なら通貨の価値が下落して行くからこそ起こる新陳代謝によって経済を回すべきなのですが、日本はお金を持っている高齢者に優しい社会を築いてしまったが故にデフレによって若年層が犠牲になってきたと考えられております。

銀行等の金融機関への信頼が厚い一方で、証券会社はバブル崩壊後のイメージを長く引きずり、日本の投資環境は厳しい時代が続きました。

金融機関が待機資金を有効活用できず、市中にもお金が回らず結果として長期の停滞を招きました。

今まではそれでも何とかなってきた日本経済も、かなり厳しくなって来ているのは、OECDが発表する統計やランキング等の没落を確認するまでもなく多くの方が感じ取っているはずです。

安心のための預金が逆に自らの経済の首を絞めてしまっているのです。

何がなんでも投資に回すべきとか、フルインベストメントこそ正義みたいなことは言いませんが、結局経済の停滞は個々人の保身の総和なんだと思います。

もちろん金融機関の融資など伝統的な資金需要もあるため一定程度の資金は金融機関に必要ですが、必要以上のお金は他人に預けずしっかりと自分自身で活用した方が良いのです。

株式投資も一つの選択肢ですが、他にもやりたいことがあるのであればそこにお金を出し惜しみせずにお金を使うのが、預金問題の解決策ではないでしょうか。

QooQ