三が日も過ぎましたのでいつも通りの金目の話に戻りますが、そういう話をしておきながら実は金目の話は役に立っていないのではないかという話です。
バフェット氏はウォール街を離れ、オマハに戻り成功を収めましたが、金融の中心地ニューヨークから遠く離れたところで内部情報や経済予測に頼らずとも成功できることを実証したことは、象徴的なエピソードとして語られております。
ウォール街の流儀で市場を制するには優れたアナリストとの交流も非常に重要ですが、その意見に流されてしまう危険性は表裏一体の関係です。(アナリストは情報提供のプロであり投資判断のプロではありません)
格付け会社の信用格付けも、あくまで情報の一つに過ぎません。
出典元の記事にもあるように、バフェット氏自身は格付け会社の提供する情報のヘビーユーザーであり、ムーディーズ【MCO】に関しては投資もしております。(余談になりますが、ムーディーズやS&Pグローバル【SPGI】は投資先として非常に優良な企業です)
翻って日本の格付け会社は、格付投資情報センター(R&I)は日経の完全子会社で、日本格付研究所(JCR)はマスコミ業界(出資は時事と共同)が用意する大蔵官僚(現:財務省、金融庁)の天下り先だったりするため、一般の投資家は直接投資することができません。
内部情報等で得られる利益というのも全くないわけではありませんが、自らの力で考え抜いて得られる投資利益と比べたら些細なものです。
余計な情報に振り回されない環境の方が、現代社会では何倍もの価値があるのです。