インサイダーの動きをどう読むか

2022/05/24

 

今年の下落相場を受けて、企業経営者ら幹部の自社株買いの動きは、コロナショック時の底に向かうときのように増えているそうです。


自社の株価の水準が極端に割安になっているとき、業績に自信があり今後の見通しが明るいのであれば極めて合理的な動きですし、事実コロナショックの際は見事に急落を拾った方は報われました。


その一方で、インサイダーが買い向かっているのがブラフである可能性というのも全くないわけではありません。


立て直せなかった際の株主からの訴訟も視野に入れつつ、その時点で自らがベストを尽くしておりだからこそ身銭を切って自社株買いを実施していたというアリバイを作るという行動です。


いずれにせよ経営者特にCEOが下落局面で自社株を買うことは、自らの利益の最大化のみならず、企業価値の最大化へ向けての布石であるということです。


古き時代のバリュー投資界隈は自社株買い制度の導入自体を嫌っておりましたが、時代は流れそして変わりました。


ルールは変わってしまった以上、インサイダーたちの動きも投資判断材料の一つです。


経営者の属人的な動きを楽しむのも投資家としての嗜みです。

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