マスク氏が歩むフォードの轍

2023/02/05

 

全く同じ道を辿るとは限りませんが、かつてヘンリー・フォード氏がキャリアの絶頂期に新聞社を買収したように、同じく自動車業界で一旗揚げたイーロン・マスク氏がツイッターを買収したことは、重なるものがあります。


一言にメディアといっても、言論的な領域と広告等ビジネス的な領域がありそのバランスが経営には求められますが、残念ながら見た目の華やかさとは異なり株主や経営者が儲かるとは限らないのがこの業界の特徴です。


また、経営的にうまくいっていることとコンテンツの影響力が必ずしも相関的に連動するとは限らないのも難しいところです。


日本国内で一時期「文春砲」が大きな影響力を誇示しておりましたが、その印象とは逆に同時期週刊文春は部数を落として行きました。


自動車会社とは明らかに性質の異なる分野で「何」を手に入れたいのかにもよりますが、資産の最大化や宇宙開発への投資の一部であるのならば明らかにマイナスです。


一時的でも実業家としての頂点を極めると、メディアに対して異なる名声を求め出すのは、いつの時代も変わらないのかもしれませんが、媒体や環境は変わり続けても時代を映し出す鏡に向かって何かを要求しても、そこに映るのは滑稽な自らの姿にすぎません。


投資を通して見つめるべきは、金銭の多寡以上に人の振り見て我が振り直せということなのかもしれません。

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