クラウド赤字

2023/06/08

投資

 

なんでも自前主義というのが必ずしも正しいわけではありませんが、今の日本の産業構造において克服しなければならない一つの課題が、クラウドサービスなどの収支がもたらす「クラウド赤字」であることは間違いありません。


かつての日米貿易摩擦で、半導体やソフトウェア産業を軒並み削られたが故の今であるとことは重々承知しておりますが、さすがにこの分野で勝負できる企業が一つは出てこないと、世界の時価総額競争では勝負になりません。


残念ながら未だに日本では競争的人材を重電や自動車産業のような旧来型の産業に取られているため、新産業が育たないのですが(もうこの見立てすら古すぎますね)本気で次の時代の「稼げる産業」を生み出したいのであれば、既存の産業に犠牲になってもらう必要があるのです。


デトロイトを犠牲にしたからこそシリコンバレーの発展があったように、人材やリソースは有限です。今の日本に豊田周辺を犠牲にして新産業を生み出す覚悟は果たしてあるのでしょうか。


もちろん既存の産業を大切に守っていくというのも一つの考え方ですが、思い通りに事が運ぶとは限りません。


もっとも日本がクラウド赤字を脱するときが来るとしたら、米国と新たな火種をかかえることを意味します。


それくらいの立ち位置には返り咲いても良い気もしますが。

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