上場ゴール

2023/10/12

書評

 

このタイミングでの新著の発売は狙ったのか皮肉なのかはわかりませんが、上場企業の企業価値に切り込んだ書籍の内容がドコモ傘下に入るマネックスの運命を暗示しているようにも感じます。


ソロモンやゴールドマンを渡り歩きマネックスを創設した松本氏のことですので、市場の恩恵やその可能性の大きさを雄弁に語ってくれておりますし、マネックス証券はネット証券として投資家に多大な貢献をしてくれたのだと思いますが、残念ながら上場当初からマネックスに投資をしてくれた投資家には株価で報いることはできなかったようです。


もっともリターンを追うだけの投資家よりも、株式市場を利用して実現したい世界観を現実のものにする実業家の方が自己実現という意味においては充実した人生を送れているかもしれません。


金銭的に恵まれることが人生の幸福における必要十分条件ではないように、使命感に燃える人生には尊さがあります。


それが仮にガザ地区で殉職した医療従事者であっても、統一教会に騙された信者であったとしても大きな何かを動かすということはそういうことです。

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