期待値

2019/06/18

投資



SPDRマンです。

株やETFだけではなく、投資全般や選択に関わることですが、
何かを選んだり、決めたりした時に、
その対象についつい期待してしまうことってありますよね?

選んだものの動向を確認し、他の比較対象と比べてしまい、
自分が選んだことの結果に自信を得たり、逆に失望したりと、
その結果に一喜一憂してしまうことも多くあるかと思います。

そこには自らの選んだ事象にかかるバイアスが存在しています。
個別株投資やETF投資を実践している方は、自らのポートフォリオに
何らかの愛着や親しみを持っていることかと思います。
もちろん、専業投資家や他人の資産を預かるプロの方は、
自分の方針の正しさよりも結果を出さなければなりませんので、
ポートフォリオの愛着ではなく、いかにベンチマークを上回るかが
求められるため、冷徹な判断を下されているかもしれません。

一方で、ほどほどのリターンを求め、将来に備えたり、
定期預金や国債を購入するよりはマシ程度な結果を求めて、
資産運用をされている方もいらっしゃるかと思います。
(SPDRマンもこのタイプです)

この場合、銘柄の分析や市場の動向を捉えて、グロース株を売買したり、
高配当株にリスクを承知の上で投資していくのではなく、
十分に分散されたETFや投資信託などにタイミングは気にせず、
ドルコスト平均法に近い形で積み立てていく形に収束されるのではないでしょうか。

市場平均に近い形での運用は、正直面白みに欠けますが、
着実な資産運用だと思います。ただ、世の中の景気が悪くなれば、
それに合わせて資産は縮小しますし、逆に景気が良い時は、
成長株ほど資産は伸びません。
端的に述べれば、市場を出し抜くようなことはできないのです。

そんな退屈な運用を選ぶと、どうしても好景気の際のグロース株や、
不況の際のディフェンシブ株と自らのパフォーマンスを比べることで、
投資の方針にブレが生じてしまう可能性が出てくることもあるかと思います。

このような話題が出ると、投資関連の本では市場の平均回帰の議論になり、
様々なセクターは好調な時もあれば不調な時もあり、
いずれ平均に収束するという流れになります。
この話の流れは非常に好きなのですが、
SPDRマンはあえて期待値に言及したいと思います。

と言っても、数学的な計算よって算出された数値の話ではなく、
自分の選択や決定に対する期待度を下げることで、自らの結果に満足するという話です。

期待が先行してしまうと、順当な結果が出ても満足できず、
逆にうまくいかなかった際は、失望の度合いが大きいのが人間です。
逆に、大した期待もしていなかったのに、予想に反しそれなりの結果が出たり、
思った以上にうまくいった際の満足度は高いのです。

この手法をうまく取り入れている組織の一つに官僚機構(霞ヶ関の中央省庁や地方自治体)
があります。事務方の偉い方(事務次官や副知事など事務方の要職をイメージしてください)ほど、
就任の際に周囲から期待されていることによって、高い結果を求められることを認識しており、
それが組織全体のパフォーマンスの低下につながってしまうことを阻止するために、
大臣や知事、市長等の首長や議員や有権者に対して、組織の能力を低く見せることで、
その期待を削ぐのです。この結果、期待以上の成果を出しているように演出することができるのです。

逆に、期待させ過ぎてしまい、結果として多大な失望を与えてしまったのが、
日本の民主党政権(2009年〜2012年)です。
野党時代に政権の実務を担ったことのない状態で、
夢や希望を語り、政権を獲得しました。そして期待を散々煽っていたにも関わらず、
難しい現実に直面し、政権運営が困難になっていきました。
期待を背負っての政権でしたので、下野した後の後遺症もより深刻なものとなりました。政権交代の際に、実務面をしっかりと担える方々がしっかりと引き締めを行い、
期待値を下げてスタートを切れていれば、もう少し長く与党を担えたかもしれません。
(その後のアベノミクスのことを考えると、
投資家の方にとっては今の政権で良かったと思いますが…)

例え話が多少脱線しましたが、自らの選択や方針を貫くためには、
決めたことに対する結果にあまり期待せず、
上手くいったらラッキー程度に構えていくことが、
より良い結果につながる秘訣なのかもしれません。

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