34歳天才経済学者が私有財産を否定する理由 データ搾取から移民までラディカルに考える
(出典:東洋経済オンライン 2020/02/10 5:40)
SPDRマンです。
株式投資をしていると、何十年後かの未来の社会の姿を
見事に言い当てる天才に巡り会うことがあります。
それは大抵、経営者でも投資家でもなく学者です。
本人は、特に事業化には興味がないことがほとんどで、
そのアイデアに先行投資しておけば億万長者確実であっても、
往々にして俗世に興味が無いようなタイプが多い気がします。
ドットコムバブルから現在までの20年ほどのIT企業の隆盛を、
見事なまでに言い当てていたのは、ローレンス・レッシグ氏でした。
彼の問題意識の延長線上にある企業が、やがてGAFAと呼ばれるようになり、
世界を支配するのかと思われるまでの影響力を持つようになりました。
(レッシグ氏のキャリアにおいては、クラウドファンディングで
大統領選に立候補したのは余計だったと思いますが笑)
そして、これからの20年間を言い当てそうな天才がいます。
それはマイクロソフト主席研究員のグレン・ワイル氏です。
プリンストン大学を首席で卒業し、
平均で5、6年はかかる経済学の博士号をたった1年で取得したという化け物です。
また、学生時代にウォール街の投資銀行でインターンを経験しており、
リーマンショック前に、デリバティブで荒稼ぎをする経験をしたそうです。
ワイル氏の初めての著書、
『ラディカル・マーケット 脱・私有財産の世紀』(東洋経済新報社)は、
シカゴ大学ロースクールの教授エリック・ポズナー氏との共著ですが、
その内容はタイトルの通り過激です。
・都市全体を売りに出す(土地が有効に活用されるようにする)既存の前提や常識を根本から考え直すことを促しています。
・世の中の全ての財産を共有化して、使用権をオークションにかける(私有財産制をやめてみる)
・自分の財産評価を自己申告制にして税金を支払う。より高い財産評価をする人が現れたら所有権が移転する(独占の弊害を取り除く)
・投票権を貯められるようにする。そして、自分にとって重要な課題のときに、貯めた投票権を集中的に投票する(一人一票よりも投票者の選好の強さを反映できるようにする)
そして本書の考えに、本気で取り組んでいるのがマイクロソフトです。
サティア・ナデラ氏(第3代マイクロソフトCEO)も本書の推薦に、
「私はずっと、テクノロジーと市場の力を用いて平等な社会を実現する方法を探してきた。本書こそが、その方法を示している」と寄せております。
必ずしも株価のパフォーマンスに繋がるとは限りませんが、
こういう天才を囲っているマイクロソフトの底力を感じたSPDRマンでした。
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