不正な数字も考慮した上での投資

2020/06/19

投資


産経・FNN合同世論調査、委託先社員が不正
(出典:産経新聞 2020.6.19 11:39)

SPDRマンです。

本日は本業の方でかなり関わりのある分野に置いて、大きな不正があったことが発覚しました。

報道各社の調査結果の数字は一応その道のプロとして把握しておりますし、公表されている委託先の会社とは、依頼とは別に直接やり取りの経験もあります。

マスコミの世論調査は疑わしいというのはもっともな意見ですが、世論調査の手法自体は統計学に基づく極めて科学的な手法で運営されており、世間が思っているほど偏向をさせることは難しい世界です。

内閣支持率を中心に各社の結果が大きくバラつくのには理由があり、たとえ一言一句全く同じ質問内容で調査を実施したとしても、調査している会社のブランドイメージで回答者側にバイアスがかかり、その媒体社のカラーに近い調査結果が出やすい傾向があるのです。(だから同じ委託先に調査を依頼しても違う結果が出るのです)

この傾向はメディアの世界だけではなく、投資の世界でも同様の現象が起こります。例えばIT系の企業に勤めていればハイテク銘柄の事情に明るくなり、ハイテクを選好し投資先にバイアスがかかりやすくなるような状況です。

良い方向に作用してくれれば勿論良いことですが、一方で気をつけなければならないのは、好調な投資先ほど不正が起きたときの打撃は大きいということです。

エンロン事件のように、エネルギー事業とITを掛け合わせた革新性に惑わされ粉飾会計を見抜けず、エンロンは当時のトップ会計事務所であったアーサー・アンダーセン諸共消えてなくなりました。

エンロン事件の概要と米国の制度改革
(出典:みずほ総合研究所 2002年7月31日発行 02-19M)

腐敗はどのようなところでも起こります。それをしっかりと取り除くことができるエコシステムが重要です。

新興国や新興ベンチャー企業への投資のリスクが高いのは、こういった腐敗や不正が起こる可能性が高いが故のハイリスクハイリターンであることを忘れてはいけません。

日本市場も先進国市場扱いされておりますが、東芝やシャープが上場廃止せず生き延びてしまったことは、結構深刻に受け止めるべき事案だったと思います。

自戒の念を込めて、発表される数字は常に正しいとは限らないと疑うべきですし、決算や指標を鵜呑みにしてはいけません。ましてやマスコミ発表などは真っ先に疑うべきですし、むしろ信じてはいけません。

そういった姿勢が投資においては殊更重要だと思うSPDRマンでした。

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