書評『ビッグミステイク レジェンド投資家の大失敗に学ぶ』

2020/07/04

書評


年金運用赤字、4半期最大の17・7兆円 1~3月期 コロナ株安が直撃
(出典:東京新聞 2020年7月4日 06時00分)

SPDRマンです。

GPIFの年金運用に関して批判的な内容の記事が掲載される時期ではありますが、動きのある環境でこそ資産は育ち飛躍するものです。

投資を始めてみれば誰もが認識するところですが、投資の世界では誰もが必ず失敗を経験します。

そしてその失敗に学ばなくては先に進むことはできません。

それに最適な題材は、偉大な投資家たちが犯してきた数々の大失敗であり、それをまとめたものが本日紹介する書籍、マイケル・バトニック氏の『ビッグミステイク レジェンド投資家の大失敗に学ぶ』(日経BP)です。



ベンジャミン・グレアム、ジェシー・リバモア、マーク・トウェイン、ジョン・メリウェザー、ジャック・ボーグル、マイケル・スタインハルト、ジェリー・ツァイ、ウォーレン・バフェット、ビル・アックマン、スタンレー・ドラッケンミラー、セコイア、ジョン・メイナード・ケインズ、ジョン・ポールソン、チャーリー・マンガー、クリス・サッカと錚々たる面々の投資の失敗のエピソードが掲載されております。

美人投票の問題を指摘しつつ自らが見事に引っかかっていたケインズ氏、テクニカル分析をしていた頃のボーグル氏、デクスターを買ってしまったバフェット氏など、個々の伝記や著作、エピソードから偉大な投資家の失敗事例が集められております。

よく投資関連書籍を読まれている方にとっては、有名なエピソードも数多く含まれており、一冊の本にこれだけの内容を詰め込んでいるので、一つ一つの中身は少し物足りないかも知れません。

登場する各々の投資家のことに関しては、本人の著作等を読んだ方が良いと思いますが、この本をキッカケに今まであまり興味がなかったタイプの投資家のことを知ったり、有名なエピソードや失敗事例に着目した著者の視点から眺めてみることも、非常に興味深く新鮮に感じました。

そしてエピローグとして著者のマイケル・バトニック氏自身のエピソードが掲載されております。

著者自身は金融業界に身を置く身としては決して恵まれたキャリアを歩んで来られなかったことを赤裸々に語りつつも、個人投資家が陥りがちな数々の投資の失敗経験を自ら体験しながらも投資の勉強を継続させ、上手く行かない就職・転職活動を乗り越え今のポジションに辿り着くまでの体験談が語られております。

決して一筋縄では行かないのが投資や人生ではありますが、誰もが失敗を経験しそれを糧により良い投資人生を模索して行きます。

投資関連書籍としての専門性は決して高くはありませんが、読み物として是非オススメしたい書籍だと感じたSPDRマンでした。

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