ジョブズの師が、アップルの人事担当者に会議で命じたこと
(出典:Forbes JAPAN 2020/08/25 06:30)
SPDRマンです。
既にAmazonのカスタマーレビューが500件以上投稿されており、今更という感じもしますが、久々に少し投資に関わりのありそうな書籍を読んだためブックレビューです。
グーグルのエリック・シュミット元会長兼CEOらグーグルの役員が執筆しベストセラーとなった『How Google Works』。その著者三人(エリック・シュミット氏、ジョナサン・ローゼンバーグ氏、アラン・イーグル氏)が再び集結し書き下ろしたのが、シリコンバレーのレジェンド、故ビル・キャンベル氏の教えに関する書籍『1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え』(ダイヤモンド社)です。
アメフトのコーチから、広告代理店を経て担当先だったコダック社で実績を残し、その後シリコンバレーへと移りプロ経営者へと転身。スティーブ・ジョブズ氏の師であると同時に、グーグル創業者たちをゼロから育て上げたコーチ。アマゾンのベゾスを救い、ツイッター、ユーチューブCEOらを鍛え、たった1人で、シリコンバレー中の企業に空前の成功をもたらした伝説のリーダー、ビル・キャンベル氏。
古参の米国株投資家の方にはIntuit【INTU】の元CEOといったイメージでしょうか。
アップルのジョブズ氏の古巣復帰はもちろんのこと、ベゾス氏がアマゾンのCEOの地位を追われかけた際もその地位にとどまることを助け、エリック・シュミット氏のアルファベット会長への返り咲き、ラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏にとっては初期からのメンターを超えた「コーチ」であり、また現フェイスブックのCOOのシェリル・サンドバーグ氏もグーグル在籍時代に鍛えられ、まさに今をときめくGAFAの中枢を鍛えあげた人物です。
単純に字面だけを追うとすごい経歴で本当にすごい人なのだと思いますが、その実態はものすごく口の悪い、フットボール命の、下ネタ大好き、野郎旅を極めたビール大好きオジサンなのです。(ただ、出典元の記事にもあるように女性ウケは決して悪くはなく、敬意と温かさ、率直さをもって厳しいことを言ってくれる、まっすぐな人間だと知っていたから彼のスタイルを心地よく感じていたそうです)
組織(チーム)や人材のために本気で成長を求め、一切妥協しない罵倒にも聞こえるコーチングが仕事に結果と勝利をもたらすとともに、組織をより高次元に引き上げて行くことにつながり、ビル・キャンベル氏はイノベーティブな企業にとって必要不可欠な存在となって行ったのです。
テクノロジー技術者が圧倒的多数で有利なシリコンバレーにおいて、真のマネジメントをもたらした文系(体育会系?)人材として描かれております。
その人心掌握術は極めて人間味があり、そこに惹かれるものがあります。ただ優秀な人材を揃えただけでは組織は機能しないのです。
ビジネス書というよりは人事マネジメントに関する本ですので、思いっきり投資関連書籍として期待して読むと少し期待外れかもかもしれません。
しかしながら今をときめく1兆ドル企業の影の立役者のストーリーを知っていると、米国株投資をより一層面白く感じることができること間違いなしです。(タイトルは1兆ドル企業ですが、手がけた企業の多くは既に単体で時価総額1兆ドルを超えてしまっておりますね笑)
ちなみに本当に口が悪くビル・キャンベル氏の愛情表現として「ビル節」という決めゼリフが存在し、追悼式で印刷されていたものが書籍内にもまとめられており、その語録の中の第1位は「お前のケツから頭を引っ張り出す音だ “That’s the sound of your head coming out of your ass.”」だったそうです。(他のビル節は是非書籍をお手にとってご確認ください)
シリコンバレーの影の立役者はアナルマスターだったことを知ったSPDRマンでした。
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