「学習効果」のある投資とは何か

2020/08/07

書評


投資家・村上世彰氏がN高生を「学習効果がない」とバッサリ切ったワケ
(出典:プレジデントオンライン 2020/08/07 9:00)

SPDRマンです。

投資家の村上世彰氏が資金を提供して、高校生に投資を経験してもらうN高等学校の「投資部」に関する書籍の宣伝記事を見かけました。

村上氏というと、世間では物言う株主(アクティビスト)としての印象が強い気がしますが、インサイダー取引のコツを高校生に教える投資サロンではなく、まっとうな金融教育の一環とのことです。

確かに投資は実際にやってみて経験を通して分かることも多いため、畳の上の水練ではなく実際に水の中に突き落とした方が習得は早いはずです。

恵まれた環境で経験を積むことができるのは、高校生にとって非常に好ましいことですが、自分の身銭を切らない投資というのは、本気で投資に取り組むのにはマイナスの要素のような気もします。

さすがに他人のお金をいきなり運用せよというのはあまりにもハードルが高すぎるかと思いますが、運用資金の一部には自身の資金を含めるべきではないかと個人的には考えます。

投資という行為は、ただ単にお金を投じて資産を増やすのではなく、自身がこうあって欲しいという未来に賭ける行為です。

投資に失敗はつきものですが、ただ失敗を繰り返すのではなく、その経験を次の投資に生かせなければ決して先には進めません。

どこかで聞いた他人の受け売りになりますが、形のあるものは全て過去なのです。形のない未来に対して資金を投じるのが投資であり、未来は自ら切り開くべきものです。

「学習効果」があるのは、本気で考え抜いて投じた資金で投資をしているときです。

その一方で、下心満載の打算的な取引に魅力があるのも純然たる事実です。分かっていてもやめられないのが人間の性だと思うSPDRマンでした。

村上世彰『村上世彰、高校生に投資を教える。』(KADOKAWA

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人はそれでも同じ過ちを繰り返す

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