危機を生きた仕事師 西川善文・元三井住友銀頭取死去
(出典:日本経済新聞 2020/9/12 1:41 (2020/9/12 4:19更新))
SPDRマンです。
バークシャーのバフェット氏や、JPモルガンのジェイミー・ダイモン氏など、金融業界にはその企業ひいては業界の顔となる人物が存在し、企業価値を高める経営者がいます。
現在はマイナス金利等の異次元緩和で苦しむ日本の金融業界ではありますが、かつては就職先の花形として高収入と安定の象徴的な存在でした。
銀行が最も輝いていた時代の最後の生き残りとしてラストバンカーの愛称でも知られた西川善文・元三井住友銀行頭取が逝去されました。
安宅産業の破綻処理やイトマン事件の対応で頭角を現し頭取に上り詰めました。頭取として三井住友フィナンシャルグループへの合併をまとめ、引退後は郵政民営化で発足した日本郵政の初代社長となりました。
強力なリーダーシップによって株価を上昇させ「西川プレミアム」という造語まで存在したそうです。
属人性によって日本の金融機関が大きな役割を果たしていた時代は過ぎ去り、その後の業界の低迷は株価に如実に反映されてしまっております。
少し見方を変えると、銀行が稼ぎ出していた収益は事業会社の利益となったり、投資家に直接還元されるようになってきたということでもあります。
金融機関に直接投資するよりは、金融機関が手がける低コストのETFや投信を保有した方が報われる可能性が高い時代になりました。
もし、当時の金融機関の暗躍を知りたくなったらイトマン事件の内部告発本である『住友銀行秘史』國重 惇史 (著)がオススメです。
金融株の光と影