エヌビディアへの売却は「最悪」、事業モデル崩壊=アーム創業者
(出典:ロイター 2020年9月14日5:12 午後)
SPDRマンです。
ソフトバンクグループ【9984】が英半導体設計大手アームを米半導体大手エヌビディア【NVDA】に売却することを決め、株価が跳ね上がっておりましたが、売却される側の立場に立てばビジネスモデルの根幹が揺らぎかねない事態です。
ロイターは曲がりなりにもイギリス発祥の通信社ですので、アームの米国企業への売却が英国および欧州にとっての損失であることを強調しております。
最先端IT産業は、一人勝ち状態の米国にアジア諸国や台頭してきた中国が挑む構図であり、欧州が置き去りにされてきた感は否めません。
そんな中でグローバルな競争力を持つ数少ない欧州のIT企業の一つがアームであったのは間違いありませんし、他には独ソフトウェア大手サップ【SAP】くらいしか思い浮かびません。
グローバルな重要性を持つ欧州最後のテクノロジー企業がまた一つ、米国企業の軍門に降ることになったのです。
国際分散投資に価値があったのは、企業の本源的価値がその土地から離れられなかったからです。
もちろん買収で企業文化やその土地の風土をそのまま手に入れることはできませんが、交渉一つで企業の所有が大きく動くのが現代の資本主義です。優良な企業や人材は、米国に吸い寄せられております。
分散投資をしているつもりが極端な集中投資になっていることもあれば、集中投資していたつもりが実は非常にうまい具合に分散が効いているということもあるのです。
形だけの分散には気をつけたほうが良いと思うSPDRマンでした。
分散自体に価値があるのかはまた別の話です