通商交渉は武器を伴わない戦争である以上、必ず何らかの形で勝敗がつきます。
日米半導体貿易摩擦は冷戦期の西側諸国同士での争いではありましたが、敗れた日本は失われた10年どころか未だに半導体事業では、米国や中国、韓国、台湾に遅れをとってしまっております。
日本の半導体メーカーに投資していた場合、たとえ長期投資をしていてもおそらくあまり資産を増やすことはできていなかったのではないでしょうか。
それに比べるとAMDやエヌビディア、サムスン、TSMC等の成長は凄まじいものがあります。(インテルはドットコムバブルの件があるため微妙ですが)
経済覇権の対立に負けるとはそういうことなのだと思います。
残念ながら今回の半導体摩擦において日本はメインプレーヤーにすらなれておりません。
しかしそれは悪いことばかりではありません。
リングに上がり戦うものは、負ければ致命的な打撃を受けることになり、勝った方がその恩恵の多くを受けることになる一方で、上手くかわせた周囲はそのおこぼれを貰うことができるのです。
リング上でメインプレーヤーが共倒れになることだって無いわけではありません。
確かに現在のハイテク産業は勝者総取りの寡占化が進んだ、競争が機能しない歪な資本主義なのかもしれません。
しかし弱者にも必ずチャンスが巡ってくるのも資本主義の特徴です。
超大国だけが富めるわけでは決してなく、小国でも豊かさを享受できる可能性は常に開かれております。
投資も同様にあらゆる投資家には、豊かさや自由を勝ち取るチャンスが与えられております。
広く分散して賭けてみることも大切ですが、自身が望まないものへの投資を避けることも立派な戦略です。