米国政府と巨大テック企業とのガチンコバトルが始まろうとしております。
独占を解消し、適切な競争環境を構築しようとする試みは、果たしてうまくいくのでしょうか。
米中対立とはまた別の次元での本格的な争いです。
20年程前にマイクロソフトがいつしか通った道を、今度はグーグル(アルファベット)が辿ろうとしております。
しかしながらその道は、当時とはかなり異なる道です。
この訴訟が見据えているのは、単純に独占的なシェアを解消するためだけのものではありません。
将来の米国社会を形作るために必要な決定的な何かが、訴訟を通じて詳らかになる可能性があるのです。
アルファベットの事業の主軸は広告ですが、米司法省が狙っているのはそれだけではないはずです。
そしてその革新的な技術の独占を崩すことによって、破壊的にイノーベーティブな競争環境が生まれ、新たな企業が米国を牽引するチャンスを作り出すのです。
しかしながら、政府側も時代遅れの規制や法律で立ち向かうため、完璧な仕事ができるかはわかりません。
最先端の事象は規制できず法律では縛れないため、代わりに用いられるのが規範や市場原理、そしてネット社会ではアーキテクチャ(コード)による規制が必要なのです。
巨大テック企業に資本の力で未来を託すのか、それとも政治や司法の力によって社会に健全な競争を促すべきなのか、投資家は投資行動でどちらに賭けることもできるのです。