天安門事件の際の外交文書の公開がありましたが、その時の日本外交の交渉の結果が今の中国の姿に大きな影響を与えたことは間違いありません。
中国の外交的な孤立を避けることで、東アジアでの紛争を回避し経済の発展を重視した結果、果たして日本人が思い描いていた通りの未来は訪れたのでしょうか。
確かに30年以上前のバブルの頃に比べれば、東アジア諸国は間違いなく豊かになったでしょう。(日本はあまり成長していないですし、北朝鮮の実情は正直わかりませんが笑)
しかし、当時の日本が望んでいたような軍事的な緊張のない平和的な東アジア経済圏というのは、どうやら幻想だったのかもしれません。
その一方で、EUが果たしてうまく機能していたのかと問われれば、ブレグジットが端的にその答えだと思いますし、ロシアは真の意味でヨーロッパになることはないようです。
そして新型コロナは各国の経済を苦しめる一方で、発祥の地中国では、統制された社会によって封じ込めに成功し、一人勝ちの経済成長を謳歌しております。
もちろん、中国政府の発表する数字は全てが正しいわけではありませんので、情報の精査は慎重に行う必要がありますが、世界でのグローバルな競争においてシェアを伸ばしているのは事実のようです。
経済の弱った途上国につけ込み市場を開拓して行く戦略は非常に合理的ではありますが、政治的な反発も次第に大きくなって行きます。
政治と経済は別と考える発想も悪くはありませんが、いずれ限界が来るのは投資をしている方であれば誰もが知るところです。
政治経済に限らず社会科学の領域は切り分けられず有機的に複雑に事象が絡み合っており、いいとこ取りはできません。
個別株やETF等の細かい情報の精査も大切ですが、それ以上に投資には大局観が求められている気がします。