ETFで歪んだ市場を立て直せるか

2021/03/12

ETF


日銀のETF買いは市場の安定化に寄与したことは間違いありませんが、同時に様々な弊害をもたらしているというのが通説的な見解です。

加重平均のTOPIX連動商品はともかくとして、一般報道向けによく参照される日経平均株価型ETFの買い入れは寄与度の高い銘柄を露骨に優遇する政策になっております。

裏を返せばファーストリテイリングやソフトバンクグループといった銘柄はその恩恵に与って来たということでもあります。

そういった市場の歪みを利用して株価を上昇させるのも一つの手法なのかもしれませんが、本来の動き以上の恩恵を歪みによって得てしまうと将来的には反動が来ることも予想されます。

割と市場を牽引する銘柄は優良企業が多いためそれが本当の実力のように感じがちですが、実態は本当に実力で上がっているものもあれば歪みによって吹き上がっているものもあるのです。

その答え合わせは結局暴落局面ですることになるのですが、その際は実力のある企業も容赦なく叩き売られますので答えが出るまで時間がかかります。

市場の歪みが自然に解消されて行くことを願っておりますが、今の歪みが是正されてもまた新たな歪みが生じるかもしれません。

結局、完璧な市場原理が作用する市場は理論上に存在するだけの空想かもしれませんので、ある程度は歪んだ世界を前提に投資をした方が良いのかもしれません。

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