30年後に投資先や勤務先は残っているか

2021/05/14

投資


今年のバークシャーの株主総会で取り上げられた、世界の時価総額上位20位の今と約30年前の比較は、非常に示唆に富むものでした。

GAFAMや中国企業の名前で占められた現在の上位20社と、32年前の1989年の日本企業と米国企業、そしてオランダ企業が上位を占めていた当時とはだいぶ景色が異なります。

米国企業の内訳も、30年前に掲載されていたエクソンやIBMといった企業はランキングから姿を消しました。

それでは30年後はどうなっているのでしょうか。もしかしたら今の上位の20社のうち1社くらいは残っているかもしれませんし、歴史は繰り返さず今の上位企業の多数がしぶとく残り続けるという可能性もないわけではありません。

しかしながら米国という国は、自国の経済発展のために競争を阻害しかねない独占的な地位を占めようとする企業には容赦なく独禁法を適用し芽を摘んできました。

もちろん米国以外の国が、米国以上のエコシステムを構築する可能性もあります。

厳しい競争の中で優れたものが成長して行くことは素晴らしいですが、投資先や勤務先、経営者であれば自社が必ずその勝者になるとは限りません。

せいぜい言えることは分散の重要性くらいしかありませんが、こういった示唆に富んだアドバイスや手段を提供してくれている投資会社や運用会社もまた競争に晒されている一部にすぎません。

企業や金融商品に惚れ込むのではなく、ましてや自身の能力や投資スキルに自惚れるのはもっての外で、それはあくまで自律のための一手段だと割り切った方が、投資家としての伸びしろが大きい気がします。

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