投資ブログの読者層というのは、市場経済に対して多少懐疑的な目を向けつつも概ね肯定的だからこそ実際に投資行動をとっている方が多いと思いますし、信条としては割と正しいアプローチだと思います。
ハイエクやフリードマンといった自由主義や新自由主義的思想に親和的だと思いますし、人によってはノージックのようなリバタリアン的な発想を支持しているかもしれません。
そもそも経済思想に依拠せず、数式やアルゴリズムで市場や経済は回せるというようなアプローチの方もいらっしゃるかもしれません。
上記のような思想家やその著作は株式投資を肯定してくれますし、耳障りも非常によく読み進めやすいのですが、投資家として本当に大成したいのであれば、そういった書籍ではなくケインズやマルクスを読みこなす必要があります。
『雇用・利子および貨幣の一般理論』や『資本論』なんかは大学の教養課程等で嫌というほど学んだという方もいらっしゃるかと思われますが、いずれも本当に理解するには相当な労力と年月がかかる大著です。
投資活動と並行して価値ある古典に挑む(できれば一人で読み進めるのではなく、専門家を交えたり読書会を通して複数人の視点で読み進める)のは、本当に実りの多いものとなるはずです。
もちろんすぐに投資のパフォーマンスに直結するような類の活動ではありません。
当ブログはそもそもネタブログということもあり非常に穿った書き方をしてしまっているので、せっかく批判的思考で読んでいただいても読者にブーメランが飛ぶような構造になってしまっているため、真面目に読むような代物ではありませんが、役に立たないものこそ真の価値に気がつくチャンスがあるのです。
これ以上書くとソーカル事件的な批判となってしまうため控えますが、投資ブログなんてその程度のものだということです。
とりあえずパッと思い浮かんだ無料で読めるケインズの邦訳リンクを貼っておきます。
『平和の経済的帰結』ジョン・メイナード・ケインズ
原題: The Economic Consequences of the Peace (1920)
訳: 山形浩生 2020年10月14日