「お上頼み銘柄」を避ければ投資はうまく行く

2021/06/28

投資


企業と政府との距離感というのは、企業経営において非常に重要で、中央とのパイプによって新たなチャンスをつかむこともあります。

その一方で、投資家サイドからこの問題を考えると、政府に近い企業ほど政治や官僚機構の力で株主を冷遇できる措置を取れるため、結果的には投資妙味が薄くアンダーパフォーム銘柄になりやすい傾向があります。

この問題は日本にとどまらず、米国でも政治絡みの企業への投資は非常に厳しい結果が伴うことが多々あり、中国でも国有企業への投資は不透明感が高く、投資成果を出すのが難しい世界です。

親方日の丸系な企業は、政府の保護で企業自体は安泰となる可能性が高い一方で、その株主は犠牲となる傾向があります。

かつての日本航空なんかはその最たる例ではないでしょうか。企業自体は助かり復活を遂げても、株主は煮え湯を飲まされる形となりました。

こういった銘柄もどこかで劇的な変化を遂げて、急にアウトパフォームする銘柄に生まれ変わることもあるのが投資の面白いところではありますが、残念ながら今の日本の「お上頼み銘柄」にはそういった変化の兆しは見られません。

厳しい言い方をすれば、こういった銘柄を放置している限りは日本市場が国際競争で勝てることはないでしょう。

別に日本固有の問題というわけではありませんが、こういう状態を知っていてもなお無批判に世界分散投資が正しいと主張するのは、学者や指数プロバイダー等の利害関係者であって、投資家は無理に合わせる必要はありません。

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