イデオロギーとしての米国株

2021/06/29

投資


投資をする際に、なぜ米国株かという問いに対しての動機は様々だと思います。

特段米国を意識している訳ではなく、たまたま現在の市場経済規模が大きいのが米国だったという方もいれば、米国という国の制度や仕組みいわばOSに魅力を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

ただ儲かる市場を探したら米国にたどり着いたという層が投資界隈では多いような気もしますが、「アメリカ」というテーマは現代の政治や経済を語る上では避けては通れないテーマの一つです。

もちろん、あえて米国株を避けて投資をする手法というのも存在しますし、真っ当な実力がある投資家は市場に関係なく成果を上げられますので、日本株だけでもちゃんと実績を残しています。

それでもなお米国株が投資の世界では主流の扱いを受けるのは、西洋文明や資本主義の最先端を走っているという認識を持たれているからでしょう。

もちろん最先端を行けば必ず報われるというような甘い世界ではないため、先頭をひた走るがゆえの犠牲というものもあるかと思いますし、何よりも投資のリターンが必ず高くなるという保証はありません。

冷戦が終わり新たな時代の幕開けとなるはずだった21世紀は、9・11テロで始まりました。

米国式グローバル資本主義の象徴だったワールドトレードセンター(WTC)に突っ込んだ旅客機が狙っていたのは、石油王ロックフェラーの愛称が付いたビルであり、多くの投資銀行がオフィスを構えておりました。

最近ではパフォーマンスに恵まれない銘柄として捉えられがちな石油銘柄や金融銘柄も、当時は米国が世界経済を牛耳る原動力でした。

今はGAFAの時代なのかもしれませんが、米国は次の時代のために自らメスを入れようとしております。

そのエコシステムが今後も機能し続けるのかは未知数ですが、その原動力をポートフォリオの一部に加えることは、今後も十分価値があるのではないでしょうか。

人によってはそんな浅い理由で投資をしていないかもしれませんし、逆にそんなこと全く考えていないかもしれませんが。

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