【CL】ROEと財務レバレッジのカラクリ

2021/06/03

投資


自己資本利益率(ROE)といえば、PERやPBRと並び株価を分析するための代表的な指標です。

商業高校や大学の教養課程、FP試験等のテストで利用される財務版はじきの計算(距離=速さ×時間)、PBR=PER×ROEという計算はできても、実際にどう活用するのかよくわからなくなりがちです。

その企業の稼ぐ力の「質」である、ROEの高さに着目した解説記事を見かけました。

日米欧の主要企業約380社(日経平均、S&P100、EURO STOXX Largeの採用企業のうち、金融などを除く約380社)で集計したところ、日本国内ではあまり馴染みがないかもしれませんが、歯磨き粉のトップメーカーであるコルゲート【CL】がROE600%超えで一位でした。

なぜここまでROEが高いかというと、コルゲートの歯磨き粉には麻薬成分が大量に含まれて中毒者が続出していたり、カフェイン成分を大量に投入し「歯磨き粉は飲み物!」という飲料メーカー並みのキャンペーンを実施し、さらには歯磨き粉をアナルに直接注入すると健康になるという民間療法が海外で流行っているからでは断じてなく、財務にレバレッジがかかっているからです。

株価の動きも非常にディフェンシブで、優良企業の代表格といった感じの企業ではありますが、財務レバレッジは36倍(S&P500企業の平均は2.9倍※金融除く)と一般的な企業の12倍近いレバレッジを活用した攻めのディフェンシブ企業だったりするのです。

現物投資だからレバレッジや信用取引は関係ないとお感じの投資家も多くいらっしゃるかもしれませんが、実は知らぬ間に企業の方でレバレッジを利かせてくれているかもしれません。

何かと話題になるタバコ株のアルトリア【MO】も財務レバレッジは10倍を超えているため、この基準だと実はレバレッジ投資なのかもしれません。

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