米国の大企業は悪質な独占か

2021/07/10

投資


GAFAにとどまらず特定の分野で圧倒的な力を持つ独占企業は、市場において圧倒的な力で競合を買収等で潰し、その地位を確固たるものにしてきました。

今回の大統領令がどこまでの影響力を持つようになるのかはまだ未知数ですが、良い流れにつながることを願っております。

その一方で反トラスト(独占禁止)法が想定する「労働者や消費者に不利益をもたらす問題」の解決というのは、一見すると良心的な政策のようにも感じますが、投資家目線で捉えると別の問いかけをしてくれます。

米国株のパフォーマンスの高さを肯定する理由として、整理解雇等の雇用の流動性や、価格決定権を持つ優良企業のブランド力や技術力、経営能力が持ち上げられますが、その力の源泉の一部を担っているのが競争に持ち込まれない独占的な能力です。

資本主義社会が素晴らしいサービスや商品を消費者に提供してくれるのは競争のおかげであることに異論はありませんが、多くの消費者がその独占企業の提供するサービスに自らの意思で取り込まれていませんか。

アップル製品や、マイクロソフトのOS、グーグル検索、テクノロジー企業だけではなく、ファイザーやモデルナのワクチンもそうでしょう。この界隈ではブラックロックやバンガード、ステート・ストリート等が手がける投資信託やETFなんかも該当するでしょう。

仮に完全な独占でなくとも、そのサービスの素晴らしさから自ら選択しているものも多いのではないでしょうか。そして、想定以上の恩恵を享受できていたりして…

自分自身も自らその罠にはまり込んでいるところもあるので戒めとして書きますが、本当の脅威は決して利用者に脅威を感じさせないように作り込まれているからこそ恐ろしいのです。

選択肢が閉ざされるような環境は何としても避けるべきですが、独占企業は現在の形態が問題なのであってスピンオフさせるなりして新たな競争環境を構築すれば良いのです。

既得権益化した企業や製品・サービスは容赦無く叩くべきですが、それが次につながる建設的なものであるとより良いですね。

本当の敵は決してわかりやすく現れることはなく、姿を見せずに世の中を蝕んで行くものです。

特に投資の世界では、その傾向がより強いように感じます。

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