プロとして投資を行っているアクティブファンドのマネージャー達から定期的に発信される「パッシブ投資」危険論ですが、最近は発言がかなり過激化してきているようです。
奇しくも今月で、ウェルズ・ファーゴによる年金向けとして世界初と思われる株式インデックスファンドの立ち上げから50年が経過しました。
投資界隈ではすっかりお馴染みですが、パッシブ運用はコストを下げ、投資を民主化し、多くの人にリターンの恩恵を与えてきました。
その一方で、投資に値しない企業に資金が配分され、市場の価格発見機能を歪めていると批判されます。
銘柄選別こそが経済に効率的に資本を配分し、より良い企業への投資を促すシグナルを発信するのだということです。
もっともアクティブ運用を実践するプロと、パッシブ運用を利用する素人個人投資家とでは、そもそも目的も扱う金額もパフォーマンスに対する責任もまるで異なるため、同列に議論すべきではないと思うのですが、インデックス投資家によって削られているプロからは怨念のような批判が展開されるのです。
パッシブ投資はマルクス主義よりたちが悪いという批判もあるそうですが、これはヘーゲルに挑むマルクスやエンゲルスのように、ボーグルに挑むアクティブファンドマネージャーたちといったところでしょうか。(ミネルバの梟は迫り来る黄昏に飛び立つのです)
ベスト&ブライテストが集う米国の金融業界において、(当ブログのような)超テキトーでどこの馬の骨かもわからない市場参加者にフリーライドされた挙句、アンダーパフォームするというのはプライドが許さず鼻持ちならないのでしょう。
マイケル・バーリ氏なんかは「パッシブ投資の知能指数劣化」がバブルをさらに深刻化させていると警鐘を鳴らしております。
とはいえこれらはプロのやっかみですので、たとえ知能指数が劣化しようともアホになって投資を続けることの方が多くの素人にとっては正解な気がします。
「バカでもできる」と素人がそれなりに考えてポートフォリオを構築しても、せいぜいトントンか多くの場合アンダーパフォームするのがオチです。(※たまに玄人跣な方もいます)
ポジティブに捉えれば、アホでも天才に勝てるチャンスがあるのが投資の世界です。