テクノロジー株優位の20年は今後も継続するのか

2021/08/26

投資


過去20年間積み立て投資を継続した場合のシミュレーション記事を見かけました。

この過去20年間という区切り方は長期で投資結果を確認するには良い期間のようにも思えますが、区切り方をよく確認しないと作成者の意図にうまく乗せられてしまいます。


ちょうど今現在(2021年8月)から20年前を遡ると、米国株はドットコムバブルの大きな山が崩れ切った直後で、その後ナスダック総合指数は2003年頃まで苦戦するのですが、ほぼ底の位置から積み立てをスタートできることになります。

つまり一番ダメージを受けていた米テクノロジー株が、非常に低い発射台からスタートできたためパフォーマンスを誇張することができるのです。

もっともアマゾン【AMZN】のように見せかけの数字以上の成長をした企業も現れますので、結果に嘘偽りはないのですがこういったファンドの比較には後知恵バイアスがかかりやすくなります。

確かにこの20年の米国株は、テクノロジー企業と医療ヘルスケア関連の企業がパフォーマンスを押し上げてきたことは間違いありません。

2001年頃の時価総額上位の米国株の銘柄を眺めてみると、ゼネラル・エレクトリック【GE】、ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】、マイクロソフト【MSFT】、フィリップモリス【MO, PM】、(ロイヤル・ダッチ・シェル【RDS-B】)、エクソンモービル【XOM】、シティグループ【C】、ウォルマート【WMT】、ファイザー【PFE】、インテル【INTC】と割とお馴染みの銘柄が並ぶ一方で、まだGAFAの存在はありません。

ナスダック総合指数で確認すると、ドットコムバブルに比べればリーマンショックは大したことのないように見えてしまいますが、それほどに当時のテクノロジーバブルは深刻だったということです。

投資歴の長い方はナスダック総合指数やナスダック100【QQQ】が右肩上がりの物語ではなかった時期のイメージをお持ちのはずです。

もしかすると20年後には日本株も右肩上がりではなかった時期が長く存在したことが信じられないという風になっているかもしれませんが、バブルというのはそのくらい後遺症があるものなのだと思います。

他人のチャンスに口出しをするつもりはありませんが、20年後に株式市場を牽引しているのは現行のテクノロジー株とは違うジャンルの企業かもしれません。

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