
プリンストン大学の清滝信宏教授といえば、リーマンショックの際に中央銀行が大規模な金融資産の購入を通じてマーケットの流動性を高める「非伝統的な金融政策」の理論化を主導した立役者として知られております。
ノーベル経済学賞受賞候補としての呼び声も高く、在阪メディアや大阪の経済担当者は清滝家の家業である池田泉州銀行への祝電と、受賞時の予定稿を準備しておくのがノーベル賞シーズンの風物詩となっております。
その清滝教授のロングインタビューが東洋経済で掲載されており、本日が連載のラストでした。
日本の経済学者として世界的に評価が高い宇沢弘文氏を超える存在となれるのか注目されております。
理論からアプローチするのか、それとも現場から問題を考えるのか、経済や資産運用を考える上ではどちらも重要な手法ではありますが、現在の問題を対処するにはその時代において「今」何が重要かを走りながら考えて理論を構築することが最前線の学者には求められているようです。
能力の高い人は世の中に溢れておりますが、本当に世界に貢献する仕事に携わることができるのは、巡り合わせや様々な要素が絡んできます。
最近の科学の流行は才能や努力を否定し確率論に収束させる傾向がありますが、それでも何かを掴むことができるかは結局本人次第なんだと思います。
そういえば、最近の科学史は「天才」という言葉はもう使わない。能力の高い研究者がたくさんいる中で、運の良い人が重要な研究をして、「天才」と呼ばれる、みたいな感じ。
— 伊藤憲二 (@kenjiitojp) August 11, 2021