西側制裁とロシアの雇用崩壊

2022/04/17

 

雇用をめぐる争いが国家の存亡に関わる問題なのは世の常です。


数ある経済指標の中でも雇用統計が指し示す意味とインパクトは常に大きいです。


もちろん投資家は経済指標に一喜一憂する必要はありませんが、政策当局にとっては非常に大きな意味を持ちます。


雇用が崩壊すると様々な困難が待ち受けており、かつてソ連時代は貧困に耐えしのぐことができたと言われておりますが、一度豊かさを知った社会が再び訪れようとしている困難に同じように耐えられるとは限りません。


かつて日本も第二次大戦へと進む中で大きなボトルネックとなっていたのは軍人の雇用の問題であり、現代日本の停滞が日本の正規雇用のリストラの難しさによるものという指摘もまた雇用の問題です。


当ブログの読者の皆様は、雇用環境に恵まれた或いは雇用環境に対する危機意識から投資費用を捻出している方が多いので、どこか他人事かもしれませんが、本当に職に恵まれなかった方は雇用にすら有り付けないのです。


もちろん仕事によって肉体や精神を蝕まれる方もいらっしゃるので、必ずしも雇用が良いことだと断言はしませんが、雇用されるという選択肢すらない人生というのも存在するのです。


「仕事は自ら作るべきで、与えられるべきではない」鬼十訓は時代遅れのブラック企業的な代物として現代では扱われておりますが、戦後の雇用が崩壊した環境では、仕事を失った人に雇用を与えるべくそれ相応に意味を持っていたのかもしれません。

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