「織り込み済み」とは実に便利な言葉です。
世界最大級のヘッジファンドと言われるブリッジウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオ氏は、先物市場が約2年後の米英など先進国・地域の利下げを織り込みつつあることを指摘しつつも、目下はインフレ対策の利上げペースが焦点とのことです。
様々な時間軸が重なりあって価額は形成されるため、このような表現になることは致し方ないことなのかもしれません。
トレーダーや先物専業の方が見ている時間軸と、中・長期投資を視野に入れている方では当然異なりますし、同じ株式でもバリュー株なのかグロース株なのかでも違いますし、比較的平準化されているとされているインデックス系の商品でも、当然サイクルや波が存在します。
どの時間軸で見るべきかは、人によって相性があるため、得意不得意や合う合わないが出てきます。
自らのスタイルが確立できているのであれば、それが正解となりますが、そうでない場合は結局市場の大きな流れに身を任せざるを得ません。
仮に2年後の利上げなど、全く見当違いだと思っていたとしても、個人投資家よりも遥かに巨額の資金で市場に向き合うプレーヤーが織り込む以上、影響を免れることはできないのです。
市場は実体経済を映し出す鏡というのも一つの側面ではありますが、マネーゲームの大御所たちの力比べの場であるというのもまた一つの側面でもあります。