マイケル・バーリ氏といえば何と言っても「世紀の空売り」でお馴染みですが、今年の不安定な相場からバーリ氏の動向に注目が集まっております。
開示された情報によると第2四半期に買い持ちしていた11銘柄をほぼ手仕舞いし新たに追加した1銘柄を残すのみとなっていたそうです。
書籍のタイトル通りザ・ビッグ・ショートと言わんばかりの空売りをいつ仕掛けるのかが焦点なのかもしれませんが、普通にヘッジファンドですので買いでも売りでも儲けに行く姿勢は変わりありません。
バーリ氏は元々医学の道を歩んでおり、趣味として投資をしていたのがいつの間にか本業が逆転してしまったパターンのキャリアのようですが、神経内科や病理医としての道に進んでいればまた違う人生だったでしょう。
幼い頃に網膜芽細胞腫で片眼を失っているバーリ氏から見える世界は、他人とは異なる視点で捉えることも多かったのかもしれません。
人にはその人ならではの視点や考え、長所があります。
それに気がつき伸ばすことができるかどうかがパフォーマンスに大きく影響します。
多少普段アンダーパフォームしても取れるところで大きく取りに行くようなやり方もあれば、常にアウトパフォームを目指すようなスタイルもあるわけです。
パフォーマンスよりも、キャッシュフローや入金力に重きを置くのも一つのやり方ですが、独自の視点を獲得している層には太刀打ちできません。
もっとも、バーリ氏のように結局本業として打ち込まなければ、サブプライムローン問題やリーマンショックのシグナルを正確につかみとることが出来なかったように、片手間でできるものでもありません。(だからこそ大抵の場合、あまりのめり込めない個人投資家はインデックス投資程度で十分なのです)
置かれた立場に応じた戦略を取れるかどうかが投資家にとっては重要です。