ジャンクディールが次の危機の萌芽

2022/08/19

 

かつてに比べればストレステストはしっかりと機能しており、金融当局も目を光らせているため同じ道を辿る可能性は低いのかもしれませんが、いつの時代も危機の引き金を引くのは際どいディールであることに変わりはありません。


資産運用会社が切り開いてきたハイリスクなジャンクディールを投資銀行が直接融資で取りに行くという流れは、リーマン・ショック後にゴールドマン【GS】が得意とし今や大事業に成長を遂げました。


見極めが難しい分野ではありますが、取ったリスクも大きい分利益も巨額になるため、他行もこぞって参入しているようです。


その一方でやっていることは火遊びですので、華やかな取引の陰で大火傷する銀行が出てくる可能性も高いです。


こういった警鐘が出ているうちはまだ大丈夫かと思われますが、市場関係者の感覚が麻痺し見過ごされるようになった時、次の危機が訪れるのだと思います。


儲かる可能性が高くても過剰なリスクを取りに行く投資家が増えた際は、そこでしっかりと巨額の利益を掴まなければ大崩れに巻き込まれることもあり得ます。


残念ながら市場参加者は連帯責任を取らされますので、手堅く運用している方もその点は十分に気を付けましょう。

QooQ