ウォーレンリスクは日本への教訓

2022/08/29

 

バイデン政権になって以降、当初警戒されていた民主党内左派の金融業界への影響は思いのほか強くはなく、ウォール街は相変わらずのらりくらりやり過ごしているようですが、とりあえずFRBにケチを付けたい政治家もいるようです。


ウォーレンリスクと恐れられていたエリザベス・ウォーレン上院議員は、利上げによって中小企業の倒産や失業者が増加することの懸念を表明しました。


言っていることは日本の政治家のような中小企業経営者や雇用に不安を抱える層を取り込む内容ですが、こう言った内容の横槍は米国でも当然出てくるのです。


むしろ日本社会はこう言った声に迎合を続けてきたからこそ、失われた何十年みたいな状況になってしまっているのですが、ウォーレンリスクというのは学びも多いです。


日本の問題はウォーレン氏のような政治家が与党内で影響力を持ちすぎていたり、パウエル氏のような痛みを伴う論調を行使できる方が育っていないのが問題なのではないでしょうか。


かといって小泉竹中路線のようになってしまうのも行き過ぎですし、黒田緩和後の収拾を付けることができる次期日銀総裁が誕生するのかなど、求められる水準やハードルが異様に高いのも日本の政治や官僚組織の難しさでもあります。


痛みを伴う処置には緩和ケアもセットにしなければ市場は悶え苦しみます。


耳触りの良い話ばかりだけでは、成長や先に進むことはできない。


大衆に迎合する論調は魅力的でも、負の側面もそれ相応に多いのが常ということです。

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