かつての日本株は、市場の急落とともに円高になったため必要以上に下落してしまうのは致し方ない現象だと思っておりました。
ドル建てだとそこまで毀損せず、むしろ日本株は耐えている(というよりも低位安定で動きが少ない)印象に海外投資家から思われていたのではないかと察しますが、もうその言い訳は通用しなくなりました。
ドル円はとうとう1ドル144円台に突入しましたが、この円安の追い風にも関わらず日本株が上昇しませんでした。
翻って円建てのS&P500指数連動商品やMSCIコクサイ関連の商品は円安の影響を受けしっかりと上昇しておりましたので、日本株の原因は円高ではなかったことになります。
もちろん為替は一つの要素に過ぎませんし、様々な複合要因の結果として株価や指数は動きます。
ただ、有力だった日本株の不調は為替のせいという論調は残念ながら過去のものになったということです。
もっともこういった話は、市場関係者は遥か昔から理解し市場に織り込まれていることだと思います。(ちゃんと統計データは公開されております)
それでも為替悪者論は、金融屋の営業トークの一つとして重宝されて来た訳です。
そんな分かりきった話を今更と当ブログの読者はお思いになると思いますが、実際に明確な動きとして現れるようになると、現実を突きつけられたような感じになります。
時代は変わっていきます。ハードカレンシー安全通貨の日本円神話は過去のものとなりました。
それと同時に神話の崩壊は、為替を言い訳にしてきた日本株の不調のウソを白日の下に晒すことになりました。