EUのグーグル制裁ビジネス

2022/10/14

 

西側諸国の経済においてデジタル広告事業の圧倒的な覇者はグーグルであり、アルファベット社と名前を変えて傘下の一部門に過ぎないというイメージ戦略を取ったところで、EUからは独占禁止法違反の厳しいお仕置きが繰り返し行われ、もはや風物詩といっても良い状況です。


手に負えない経済権力からは国家権力が毟り取るという、暴力装置としての本領を発揮している感じが、世はまさに世紀末を通り越した現代ということです。


こんなアホみたいな制裁を受け続けていても儲かってしまうのがグーグルなのかもしれませんが、ビジネス的に大成したとしてもその先には独占を許さない制度設計が立ちはだかります。


EUの制裁は、米国企業に対するやっかみも含まれているでしょうが、テーブルの上では紳士的に握手を交わしつつもテーブルの下では脚の蹴り合いを行うのが外交交渉であり国家間の企業覇権競争でもあります。


足元の株価も確かに重要ですが、本当に長期で成長するには国との関係も重要です。


もちろん国家の意向に左右されづらいビジネスモデルの企業やセクターなんかも存在はしますが、国家を味方につけた方が世の中うまく運びやすいものです。


国家に依存するのではなく、国家の脅威になるくらいに成長しつつも敵に回らないくらいがちょうど良い塩梅かもしれません。

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