昨年インフレの過小評価によって株式市場や債券市場では多額の富が消失しました。
投資銀行やヘッジファンドがインフレや金利上昇のピークを見誤ったとの見解が支配的ですが、資産運用会社が指摘したところで簡単に修正できる類の話ではありません。
では、市場を的確に捉えた層は資産を飛躍させることができたかと問われると、もちろん一部では上手く立ち回れた機関もいるのは紛れも無い事実ですが、取り扱う資産額の大きさ故に分かっていても回避できない運用をせざるを得ないプロがいるのもまた事実です。
インフレはこれまで資産を蓄積してきた方には脅威ですが、資産がない或いはこれから形成しようとしている特に若年層にとってはチャンスを与えてくれます。
日本のインフレが維持されるかは分かりませんが、シルバーデモクラシーの結果として長期にわたるデフレが高齢者にとって過ごしやすい環境を提供してきた結果が少子高齢化に拍車をかけたというのであれば、転換のチャンスを迎えているのかもしれません。
もっともインフレだけで人口動態を大きく変えられる程世の中は甘くないと思いますが、それと同様にインフレ自体を甘く見てはいけないというのも、市場に蓄積された歴史が発する警鐘です。