公表されない合意

2023/01/28

 

世の中には表には出てくることのない情報というものがあります。


もちろん事象自体は存在している以上、それは確実に存在しているのですが、歴史の闇の中に葬り去られて行くのです。


公文書であれば、50年後なり100年後なりに開示されることもあるかもしれませんが、本当に当事者が墓場まで持って行ってしまうものもあることでしょう。


そして情報の非対称性を利用して交渉やビジネスをする世界では、その差を利用して稼ぎ出すため、関係筋の情報から公表されていないことすらも読み取り織り込まれて行くものです。


リークも単なるミスで情報が漏れたものもあるでしょうが、その多くは意図的に情報を小出しにすることで発信者側のコントロールが見え隠れします。


また会見の場でも世間にお目見えするのはオンレコの部分だけであり、当然オフレコのやり取りがされているのが普通の現場です。


情報の差で儲けるトレーダーというものがかつては持て囃されましたし、そういった手法で生き延びる投資家もいるのかもしれませんが、その域に達するには情報に対してそれ相応の投資やコストが必要になってきます。


そういう勝ち方は確かにプロっぽい勝ち方なのですが、一般的な個人投資家には敷居の高い世界です。


関係筋からの情報を直接聞き出したり、金融端末のチャットなど頼らずとも、市場は投資家に対して公開情報だけでちゃんとチャンスを与えてくれます。

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