自動車株と政治

2023/01/31

 

投資対象としての自動車株というと、大型株で機関投資家好みというよりこれくらいの規模がないとトレードの対象にならないということかもしれませんが、個人投資家にとってはどちらかというと難しい投資先かもしれません。


テスラ株や中国の電気自動車メーカーの評価はさておき、ルノーや日産などの既存の自動車会社の多くは国策企業的な要素も強く、単純な業績だけではなく政治介入のリスクも含めたディスカウントが織り込まれるため一般的には割安になりやすい傾向があります。


ルノーはフランス政府が株式を保有するまさにこれぞといった国策企業ですが、日本の大手自動車メーカーもバックには経産省や国交省など政府の影がはっきりと映る護送船団といって良いでしょう。


とはいえ建前上は純粋民間企業ですし、政府の支援があったところで、ここまでグローバルに競争が激しい業種では小手先の介入では太刀打ちできないのもまた事実です。


結局は国力がものを言う世界になってしまうのだと思いますが、ルノーを通じて実質フランス政府の配下にあった日産が、株式の比率的には配下を脱し対等な立場になるということは感慨深いものがあります。


フランス政府が譲歩したのには、日本に対して裏で何らか権益を得たと見るのが普通です。


貸し借りは見える部分と見えない部分がある以上、その不透明感と不確実性が投資対象として嫌われるのだと思われますが、それも含めて自動車業界ですし、トヨタもテスラもBYDも同じセクターなのが自動車株です。

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