参院議運での所信聴取と質疑をそつなくこなした植田氏は、市場とのコミュニケーションを意識し自らの発言でどの程度市場が動くのかを確かめていたものと思われます。
総裁就任前とはいえ、まずは市場を安心させるという役回りを演じ通さなければいけない訳です。
ぶっちゃけアホな議員相手には、まともな経済議論を吹っかけるよりも、わかりやすく金融緩和継続します路線は変えませんよ的な内容に終始しておいた方が波風立てず済みますし、自らの政策はサプライズ的に変更していけば良いのです。
前任が残して行った重い宿題に対峙するためには、余計な揚げ足取りに構っている暇はないのです。
清和会はいつまで故人の名前で派閥を続けるのかは知りませんが、アベノミクスに求心力を依存し続けるのは流石にまずいのではないでしょうか。
植田氏に求められているのは、ポスト金融緩和の政策でありアベノミクスの次に進むことです。
必ずしもそれが緊縮であるとは限りません。
ただ、このまま人事案が通れば日銀の正副総裁からリフレ派はいなくなるため別の解決策を模索することになるかもしれません。
それが必ずしもマーケットフレンドリーであるとは限りませんが、次に進まなければならない瞬間がもうすぐ訪れるということです。