強欲な投資家

2023/05/06

投資

 

情報というのは発信者の立場によってニュアンスが変わりますし、同時に受け手の立ち位置も当然のことながら影響してきます。


書き手がどの立場に肩入れをするのかは、その書き手の性向の問題もありますし、一番手っ取り早いのは肩書きを見れば凡その傾向は察しがつくかもしれません。


本人がポジショントークではなく客観的に書こうとしても、結局は本人の立場の影響を完全に消すことはできない以上、読者が判断するしかありません。


この意味において投資家の情報発信には、投資家のポジションに起因するある種の願望のようなものが含まれていることがあります。


それは決して悪いことではなく、そういった強欲さやアニマルスピリットがあってこそ経済は成長して行くものだと思います。


停滞が続く社会において脱成長的な発想が登場することもありますが、なかなかそういった政策がうまく機能しないのは、結局は思想も競わせた上でマシな方を選ばざるを得ないという現実が常にあるからです。


自らの強欲さだけではなく他人の強欲さも利用し経済社会を回すのが正しいかどうかはさておき、綺麗事だけで暮らしていけるほど豊かではなくなってしまったのが現代です。


そもそも、お金の心配などせず豊かに暮らせた大らかな時代というもの自体がノスタルジーではなく幻想だったのだと思いますが、何らかの喪失感を抱えながら生きる人が増えたのは先進国に共通する姿です。


失われたものを取り戻す感覚よりも、常に新しい可能性に目を向けていきたいものです。

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