ＦＤ

FD：フィデューシャリー・デューティー（顧客本位の業務運営）について、本来ならば金融関係者に発言権はないはずです。

もっとも誰もが語り得ぬものについて沈黙してしまうと、何も語るべき言葉がなくなってしまいます。

欽定訳聖書からの訳出で「はじめに言葉ありき」を引用するのであれば、フィデューシャリー・デューティーは、英米法における信任法分野を日本に取り入れるすり合わせ作業と言えるのではないでしょうか。

民法における善管注意義務や会社法における取締役の忠実義務を論拠としてこの分野を組み立てるのは非常に心もとないですが、いずれは国内にも横断的な法体系が確立されることでしょう。

投資家および一般国民が金融業界に望むのは、善管注意義務（Duty of Care）ではなく、自らの利益を後回しにしてでも忠実に義務を果たす「Duty of Loyalty」の方ではないでしょうか。