プロポジション47

2023/11/12

投資

 

サンフランシスコといえば米国株式市場を牽引するテック企業の集積地として華やかなイメージもある一方で、現実は不動産価格の異常な高騰に加え州法の影響で悪化した治安によって街の荒廃が指摘されております。


特に2014年に制定された「プロポジション47」は950ドル以下の窃盗や薬物所持等の犯罪を「軽犯罪」とみなし取り締まりを緩めたことで急速に体感治安が悪化したそうです。


リベラルな気風を象徴する都市として注目を浴びるが故に、政治的には保守系の政治家の攻撃の材料として利用されており、政争の場となっているようです。


堕落の自由を享受することも重要な自由の要素である一方で、治安の悪化とテック企業のレイオフ、税収減による財政悪化で細る警察組織と色々と負のサイクルに突入しているとのこと。


最先端の産業と華やかな成功者ばかりが取り上げられがちの地域には、それと同様に最先端の社会問題が詰め込まれております。


米国の成長の良い部分だけを享受しようとする投資は、ある意味非常に美味しい投資なのかもしれませんが、その実態は決してバラ色なものではなく、むしろ多くの犠牲によって成り立っているのかもしれませんし、盤石とは程遠いものなのかもしれません。

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