制度自体の粗探しをするのは簡単ですが、問題はそこではなく国民が未来に対してリスクを取って来なかったことなのではないでしょうか。
出典元の某氏が提唱するように借金を減らし貯蓄に勤しむことは決して悪いことではないように思いますが、それだけでは資産を守ることができない時代が到来しつつあるのです。
正直、同氏がターゲットにしているのは年齢の近い高齢者層でしょうから守りの資産運用も悪くはないのかもしれませんが、今の時代において円建て貯金一本は為替リスクに対する認識が甘すぎると言わざるを得ません。
むしろ昨今のインフレで現金の価値が目減りすることを実感していないとなれば、それはそれでおめでたいことだと思います。
もちろん不況やデフレがまた訪れることがあるかもしれませんが、その元凶が出費を出し惜しんだ消費者自身であるという認識が持てていないのかもしれません。
節約は美徳な側面もありますが、お金は天下の回り物である以上、投資でも消費でも自らにとって意義のある使い方をすべきです。
結局は警鐘を鳴らす本人が一番お金に執着してしまっているという皮肉なのかもしれません。