【MDP】タイム社買収後の末路、メレディス

2019/09/07

投資



以前に中小型株の紹介コーナー(適当シリーズ)に挑戦したのですが、探し出すのが大変な割に、あまり受けが良くなかったため、すっかり滞っておりました。ただ、前回紹介したプール【POOL】が順調に推移しているので(紹介時191→現在201)久々に投稿してみようと思います。

ただし、今回は中小型株の失敗例です。SPDRマンは中小型株投資が好きなのですが、以前に挑戦していたのは日本株の中小型株で、米国株の中小型株には投資したことはありません。その点は十分にご留意いただき、話半分に聞き流して頂ければと思います。

今回紹介するのは、米国のメディア・コングロマリット、メレディス【MDP】です。

企業概要は下記の通りです。

メレディスは米国のメディア・マーケティング大手。事業は2部門で構成。地方メディア部門は、CBSやFoxなど米国主要テレビネットワーク系列局および地方ラジオ局のほか、インターネット・携帯サイトを運営する。全国メディア部門は、雑誌と書籍の出版に加え、消費者データベース、市場調査、販促出版物の企画・作成などのマーケティングサービスを提供する。 
(出典:Yahoo!ファイナンスより)

あまり日本人には馴染みのない企業かと思いますが、2017年にタイム・ワーナーからスピンオフしたタイム社を、コーク兄弟の支援を受け買収したことで覚えている方もいらっしゃるかと思います。(以下の引用記事での円換算はいずれも報道された当時の金額です)

米タイム買収 メレディスが3100億円で
(出典:J-CASTニュース 2017/11/27 14:52)

その後、大規模リストラを実施し、他社への売却交渉を実施した結果、旗艦商品であるタイム誌をセールスフォース・ドットコム【CRM】のマーク・ベニオフ夫妻に、1億9,000万ドル(214億円)で売却することになりました。

アマゾンのジェフ・ベゾス氏個人によるワシントン・ポスト紙を2億5,000万ドル(250億円)で買収等にも見られるように、レガシーメディアは米国の起業家の手に渡る傾向が顕著です。

その結果が通期の見通しに現れ失望売りを誘い、一日で23%の暴落となりました。

メレディス株が33年ぶりの大幅安、期待外れな通期見通し響く
(出典:ブルームバーグ 2019年9月6日 11:08 JST)


(チャートは暴落した日の部分が反映されていませんが、株価は暴落した翌日の数値のため、2%程上昇しております。)

当初3100億円、その後交渉を経て1900億円程で買収しているようですが、記事の通りであれば、約530億円のコスト削減を実施しているとしても、旗艦商品のタイム誌を214億円で売り払ってしまっているのであれば、誰がどう見たところで、上手くいっていないことは明白です。

米「タイム」買収元が300名規模のリストラ、他社への売却視野
(出典:Forbes JAPAN 2018/03/22 12:00)

米タイム誌を200億円で買収、セールスフォースCEOの野望
(出典:Forbes JAPAN 2018/09/18 09:00)

もちろんタイム社はタイム誌だけではなく、フォーチュン誌等他の部門もあり、こちらは売却の対象とはなっておりませんが、タイム社を買っておきながら、タイム誌を格安で売り払い、米国最大の雑誌出版社になったにも関わらず、シナジー効果を発揮できていないとなれば、投資家に失望されることは火を見るよりも明らかです。

今回は、オススメしない銘柄ですので、銘柄の財務状況等の確認はいたしません。(暴落している関係で、配当利回り等は良いですが、今後保証されるものではありません)

自らも斜陽産業に従事するサラリーマンとして、決して他人事ではない今回の銘柄紹介ですが、レガシーメディアは企業経営と相性が良くないということは、是非頭の片隅にでも入れて置いて頂けると、今後何かの役にたつかもしれません。

皆様の他山の石となりますよう、自虐ネタに走ったSPDRマンでした。

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