リーダーシッププリンシプル

2021/07/01

投資


独禁法による分割回避に先手を打ったと報じられているアマゾンに関して、面白い記事を見かけました。

バーチャス・サイクル」以来のアマゾンの企業カルチャーネタですが、今回紹介する方が一般的には馴染みがあるかもしれません。

ベゾス氏の後継と目されていた候補の一人だったジェフ・ウィルク氏のインタビューの翻訳ですが、いずれも今のアマゾンの原動力がよくわかる素晴らしい内容です。

1. “メカニズム”:アマゾンとはどういう会社か。「2つの故障モード(機能障害を引き起こした不具合)」。実現が当初予測よりも困難なのはなぜか

2. ワンページャー(文書を1ページに収める)文化:アマゾンの信条がいかに文化の変容を食い止めるか

3. 専任体制による発明:誕生したばかりの事業分野をどうやって会社本体から守るか

アマゾンの現在の成長を築き上げたのはまさにこのカルチャーが生み出したといっても良いでしょう。

有名な1997年の「株主への手紙」から特に重要だと力説しているのは下記の項目です。

・四半期ごとの利益に固執せず、長期的な視野で最大限の利益を追求しようとしている

・現金以外ではなく、現金収入を重視している

・顧客のことを第一に考え、地球上で一番顧客中心の会社をつくろうとしている

・イノベーションを重視している

今聞けば当たり前のような項目が並びますが、四半期決算至上主義だった当時の米国市場では勇気のいる決断でした。

そして、作成した「リーダーシッププリンシプル」はアマゾンの企業文化として脈々と引き継がれているようです。

意外に思われるかもしれませんが、オンライン書店を起源としている影響もあるのか「紙の文化」が残っていたり、口頭伝承を大切にしております。

この辺りは官僚機構やマスコミなんかにも通ずるところがありますね。ベゾス氏個人でワシントンポスト紙を買収したりと、他のビッグテックとは若干毛色が違うのがアマゾンらしさなのかもしれません。

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