
「できない人ほど自信がある」心理学の世界でダニング・クルーガー効果と呼ばれるこの現象は、投資の世界でもほぼそのまま当てはまります。
成績が下位25%の人は自分の能力を過大評価し、上位25%は過小評価する。
一般的にはこの割合になりますが、投資の世界の難しいところは能力の高い上位25%も自己認識を誤ると能力の高さ故に投資パフォーマンスが低下するため、結果として9割以上が市場平均に勝つことができない敗者のゲームの世界になるのです。
とはいえ、1割に満たないかもしれませんが、勝つことができる投資家が出てくることもまた事実です。
この1割になるためには、自身の能力に対して自信過剰でも謙虚すぎてもダメで、自身の能力を的確に把握する現状認識能力が求められます。
一般的には若い時ほど瞬発力やトレーディングスキルが高いのに対し、年齢を重ねるとマネジメント能力や大局観が養われます。
いつまでも若さを武器にはできませんし、逆に歳を取ったからといって単に衰えるのではなく経験値を生かした戦略を取れるようになるのです。
大切なのは自分自身が現在どの部分で優れており、どの部分が足りていないのかを正確に認識することなのです。
能力が高い方が手札は多いかもしれませんが、大して能力が高くなくても勝つ方法があるのが投資の世界の良いところです。
自身の能力を誇るよりも、自身の特性を的確に把握した方がパフォーマンスの向上には有効かもしれません。